「痛みがなくなったから、もう練習に戻っていい?」「また同じ足首をひねってしまった」。足首のねんざは身近なケガですが、競技復帰を痛みだけで決めないことが大切です。浜松市のジュニアアスリート専門スクオスジムから、保護者の方に向けて確認のポイントをお伝えします。
まずはケガの状態を確認しましょう
ねんざでは、足首を支える靱帯などが傷つきます。症状が落ち着いても不安定感が続くことがあり、2021年の診療ガイドラインでも、急性のねんざと慢性的な足首の不安定性を分けて扱っています[1]。
足首をひねった後に腫れや内出血がある、体重をかけられない、骨の周辺が強く痛む場合は、まず整形外科などで診てもらってください。成長期のお子さまでは骨や成長軟骨のケガも考える必要があります。見た目だけで「ねんざだから大丈夫」と判断しないでください。
競技復帰で確認したい5つの視点
国際的な専門家の合意による「PAASS」という枠組みでは、次の5分野を確認することが提案されています[2]。
- 痛み:競技中だけでなく、直近24時間の痛み。
- 足首の機能:動く範囲、筋力、持久力、力を発揮する能力。
- 本人の感覚:足首への自信、不安定感、復帰への心理的な準備。
- バランス:姿勢や足首の位置を調整する能力。
- 競技動作:跳ぶ、着地する、切り返す動きや、練習を一通り行えるか。
これは専門家の合意をまとめた枠組みで、「片足立ち30秒ができれば復帰OK」といった合格基準ではありません。また、子ども全員に同じ基準を当てはめるものでもなく、成長段階、ケガの程度、競技に合わせて評価する必要があります。
「走れた」だけで試合に戻らない
まっすぐ走ることと、相手を避けて急に切り返すことでは、必要な動きが違います。医師やリハビリ担当者の指示に沿って、基本の動きから競技に近い練習へ進めましょう。
運動中だけでなく、終わった後や翌日の痛み・腫れも記録しておくと役立ちます。「怖くて踏み込めない」「足首が抜けそう」といった本人の言葉も大切な情報です。気合いの問題と片づけず、担当者へ伝えてください。
家庭では、指導された練習を安全に
片足立ち、かかと上げなどは、ケガの状態に合わせて方法と量を決めます。壁や安定した支えの近くで、指導された範囲で行いましょう。目を閉じる練習や片足ジャンプを、復帰の自己判定として急に試す必要はありません。
テーピングやサポーターを使う場合も、使い方と必要性を担当者に確認してください。道具を使えば評価や段階的な練習が不要になるわけではありません。
スクオスジムでのサポート
スクオスジムでは、医療機関での診断と運動制限を確認したうえで、足首の動き、筋力、バランス、着地や競技動作を見て、段階的なトレーニングを提案します。診断や復帰許可に代わるものではなく、主治医・リハビリ担当者の指示を優先します。
「痛みは落ち着いたけれど、復帰が不安」「ねんざをくり返すので動き方を見直したい」という方は、保護者の方もご一緒にご相談ください。
参考文献
[1]Martin RL, et al. Ankle Stability and Movement Coordination Impairments: Lateral Ankle Ligament Sprains Revision 2021. J Orthop Sports Phys Ther. 2021;51(4):CPG1–CPG80. doi:10.2519/jospt.2021.0302(診療ガイドライン)。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33789434/
[2]Smith MD, et al. Return to sport decisions after an acute lateral ankle sprain injury: introducing the PAASS framework—an international multidisciplinary consensus. Br J Sports Med. 2021;55(22):1270–1276. doi:10.1136/bjsports-2021-104087(専門家合意)。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34158354/
※一般的な情報です。個別の診断・治療や復帰判断に代わるものではありません。参考文献確認日:2026年10月14日。