「走り始めると、すねの内側が痛い」「練習中は気にならなくなるけれど、帰宅するとまた痛む」「大会が近いので、休ませたほうがいいのか迷っている」。スポーツを頑張るお子さまに、このような様子はありませんか。
すねの内側の痛みで考えられるものの一つが、シンスプリントです。ただし、似た場所に痛みが出る疲労骨折などもあるため、痛む場所だけで判断することはできません。今回は、シンスプリントの特徴と、練習との付き合い方、ご家庭で確認したいことを、浜松市のジュニアアスリート専門スクオスジムからお伝えします。
シンスプリントとは?
シンスプリントは、走る・跳ぶなどの動作を繰り返すことで、すねの骨である脛骨と、その周囲に負担が重なって起こるスポーツ障害です。医学的には「脛骨過労性骨膜炎」や「内側脛骨ストレス症候群(MTSS)」と呼ばれます。
すねの内側、特に中央から下のあたりに、ある程度の広がりをもって痛みや押したときの痛みが出ることがあります。陸上だけでなく、サッカーやバスケットボールなどの選手にもみられます[1]。
初期には動き始めに痛み、その後は軽く感じられることもあります。しかし、運動中に痛みが減ったからといって、負担が解消したとは限りません。練習後に痛みが戻る場合も注意が必要です[1][2]。
「成長期だから仕方ない」で済ませないことが大切です
シンスプリントは、成長期だけに起こるものではありません。お子さまの痛みも、身長が伸びていることだけで説明せず、最近の練習の変化を確認しましょう。
新しいチームに入って練習日数が増えた、走り込みやダッシュが増えた、部活動に加えて自主練習を始めた。このように、運動の回数・時間・強度が急に変わることは、すねへの負担につながります。
靴のサイズや摩耗、練習する場所の変化も確認したいポイントです。足の形や動き方が関係する場合もありますが、「扁平足だから」「身体が硬いから」と一つの原因に決めつけることはできません[1][2]。
練習を続ける前に、痛みが出るメニューを見直しましょう
「練習を続けられるか」は、診断や症状によって変わります。まずは痛みが出るランニングやジャンプを中止し、指導者と保護者に伝えてください。
練習への参加を調整するときは、単に「少し軽めにする」だけでなく、負担になる動作を具体的に整理します。例えば、ダッシュや連続ジャンプを外す、走り込みを休む、自主練習を追加しないといった方法です。医師から運動の許可がある場合には、水泳や固定式自転車など、すねへの衝撃が少なく、痛みの出ない運動に置き換えられることもあります。
ただし、別の運動なら必ず安全というわけではありません。運動中だけでなく、終わったあとや翌朝に痛みが残る場合も、負荷を見直しましょう。
休む期間や再開する時期を、全員同じ日数で決めることはできません。通常の練習へ戻す際も、医師の方針に沿って、短い時間・低い強度から段階的に進めます[2][3]。
ご家庭で今日からできること
まず、直近の練習を親子で振り返ってみましょう。部活動だけでなく、クラブ活動、自主練習、体育の授業も含めると、思った以上に運動が重なっていることがあります。受診や指導者への相談に備えて、次の内容を簡単にまとめておくと役立ちます。
- いつから、どのあたりが痛むか
- 走る、跳ぶ、歩くなど、どの動作で痛むか
- 練習後や翌朝にも痛みがあるか
- 最近、練習量や靴、練習場所が変わっていないか
痛む場所を何度も強く押したり、痛みを確かめるために跳んだりする必要はありません。
靴は、つま先が窮屈になっていないか、靴底が大きくすり減っていないかを確認してください。中敷きが役立つ場合もありますが、まずは状態を評価してもらいましょう。
痛むときには、保冷剤をタオルで包んで10〜15分程度冷やすと、一時的に楽になることがあります。皮膚の感覚や色に注意し、冷やして痛みが軽くなっても、そのまま練習へ戻る判断には使わないでください。
ストレッチや筋力トレーニングも、痛みを我慢して行う必要はありません。シンスプリントは、特定のストレッチだけで改善すると断定できる状態ではなく、負担の調整と身体の状態に合わせた対応が大切です[1][2][3]。
こんなときは整形外科へ相談してください
すねの痛みには、疲労骨折など別の原因が隠れていることがあります。特に、次のような場合は運動を中止し、早めに整形外科、可能であればスポーツ整形外科へ相談してください。
- 広い範囲ではなく、一か所に強い痛みが集中する
- 歩くと痛い、足を引きずる
- 安静にしていても痛む、夜も痛みが続く
- 練習を減らしても改善しない、繰り返し痛む
- 痛みが徐々に強くなっている
体重をかけられないほど痛む場合や、強い腫れ、しびれ、足に力が入りにくい症状がある場合は、速やかに医療機関へ相談しましょう。
痛みの範囲や強さだけで、シンスプリントと疲労骨折を家庭で見分けることはできません。初期の疲労骨折はレントゲンで分かりにくいこともあり、医師が必要に応じてMRIなどの検査を検討します[1][2]。
スクオスジムでのサポート
浜松市のジュニアアスリート専門スクオスジムでは、医療機関での診断や運動制限を踏まえて、身体の状態と競技に必要な動きを確認します。すねの痛みだけに注目するのではなく、足首の動き、下半身の筋力、片脚で身体を支える動作などを評価し、練習状況と合わせて、お子さまに必要な取り組みを考えます。
「大会までに何ができるか知りたい」「練習に戻ると、また痛くなる」といったお悩みもご相談ください。診断が必要と思われる場合は受診をご案内し、医師の方針に沿って身体づくりと競技復帰をサポートします。
痛みを伝えることも、長く競技を続けるための大切な行動です。保護者の方も、まずは「教えてくれてありがとう」と受け止め、一緒に次の対応を考えていきましょう。
参考文献
[1]Galbraith RM, Lavallee ME. Medial tibial stress syndrome: conservative treatment options. Current Reviews in Musculoskeletal Medicine. 2009;2:127–133. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2848339/
[2]American Academy of Orthopaedic Surgeons(AAOS)OrthoInfo. Shin Splints.(2026年10月23日閲覧)https://www.orthoinfo.org/diseases–conditions/shin-splints/
[3]Ann & Robert H. Lurie Children’s Hospital of Chicago. Medial Tibial Stress Syndrome (Shin Splints).(2026年10月23日閲覧)https://www.luriechildrens.org/en/specialties-conditions/medial-tibial-stress-syndrome-shin-splints/
※一般的な情報です。個別の診断・治療や復帰判断に代わるものではありません。参考文献確認日:2026年10月23日。