「ヘルニアと言われたけれど、手術が必要なの?」「仕事や家事は、どこまで続けていい?」「インターネットで見つけた体操をしても大丈夫?」
腰椎椎間板ヘルニアと診断されると、今後の生活について不安になることがあります。
今回は、診断を受けた後に知っておきたい治療の考え方と、日常生活で確認しておきたいポイントをご紹介します。
腰椎椎間板ヘルニアは、どんな状態?
背骨の骨と骨の間には、衝撃を和らげる「椎間板」があります。その内部の組織が外側へ突出した状態を、椎間板ヘルニアと呼びます[1]。
腰で起こり、神経に影響すると、腰やお尻の痛みだけでなく、脚の痛み・しびれ・力の入りにくさが現れる場合があります。
ただし、画像で椎間板の膨らみが見つかっても、症状がない方もいます。画像所見に加えて、痛む場所、感覚、筋力などを確認し、症状との関係を判断することが大切です。
診断されたら、必ず手術になる?
腰椎椎間板ヘルニアは、まず薬やリハビリテーションなど、手術以外の「保存療法」から始めることが一般的です。状態によっては、神経ブロックなどの治療も検討されます[1][2]。
一方、治療を続けても強い痛みが残り、生活に大きな支障がある場合や、筋力低下などの神経症状がある場合には、手術を検討することがあります。
「画像にヘルニアがあるから必ず手術」「手術は最後まで避けるべき」と一律には決められません。症状の経過と生活への影響を、担当医と共有して判断していきます。
今日からできること① 診察で確認したいことを整理する
治療を受けながら生活するうえで、「自分の場合はどうすればよいか」を確認しておくと、行動を決めやすくなります。
次の診察では、例えば以下のことを相談してみましょう。
- 現在、筋力や感覚にどのような変化があるか
- 仕事や家事で、一時的に調整したほうがよい作業はあるか
- 運動を始める時期と、自分に合う内容
- 薬の目的と、困った症状が出たときの相談先
- どのような変化があれば、予約日を待たずに受診するか
仕事で重い物を扱う、長時間運転するなど、実際の作業内容も具体的に伝えてください。「仕事をしてよいですか」だけでなく、「どの作業を、どの程度行うか」まで相談すると役立ちます。
今日からできること② 仕事や家事の負担を調整する
痛みが強い時期に、普段と同じ作業を無理に続ける必要はありません。一方で、長時間座り続けたり、寝たままで過ごしたりする生活も避け、可能な範囲で活動を続けることが一般に勧められています[3][4]。
例えば、次のような調整を検討してみましょう。
- 座る作業がつらい場合は、立つ・短く歩く時間を挟む
- 重い荷物は小分けにする、台車を使う、周囲に協力を頼む
- 症状が増える作業は、一時的に時間や回数を減らす
- 仕事の担当や休憩の取り方を、職場と相談する
これらは負担を調整するための例です。すべての前かがみ動作や持ち上げ動作を、ずっと禁止するという意味ではありません。症状と担当医の指示に合わせて考えましょう。
今日からできること③ 体操は、自分に合うものを確認する
「ヘルニアには腰を反らす体操」「腹筋を鍛えればよい」など、さまざまな情報があります。しかし、同じ診断名でも、症状や取り組める運動は異なります。
痛みが強い時期は休息が必要な場合がありますが、状態に合わせて、歩行などの軽い活動を少しずつ再開することが勧められています[3]。
まずは担当医やリハビリ担当者に、運動を始めてよいか、どの動きから取り組むかを確認してください。
運動中に脚の痛みやしびれが強くなる、新たに力が入りにくくなる場合は中止しましょう。「効いている証拠」と考えて続けず、医療機関に相談することが大切です。
再診では、痛み以外の変化も伝える
治療の経過を見るときは、痛みの強さだけでなく、生活や脚の働きの変化も伝えましょう。
「以前より座っていられる」「仕事の途中で休む回数が減った」「足が引っかかり、つまずきやすくなった」
このような情報は、治療方針を相談する材料になります。
特に、痛みが軽くなっていても、足首やつま先が動かしにくいなど、筋力低下が疑われる変化は放置しないでください。新たな脱力や悪化があれば、予約日を待たずに医療機関へ連絡しましょう。
待たずに受診したい症状
次の変化が新たに現れた場合は、直ちに救急外来などへ相談してください[3]。
- 尿が出ない、尿や便を自分でコントロールできない
- 股や肛門の周りの感覚が鈍くなる
- 脚の感覚が急に失われる
また、足に急に力が入らなくなった、歩きにくさが急速に進んでいる場合も、早急な受診が必要です。
薬を使っても痛みが十分に抑えられない、数週間たっても改善しない、夜間に痛みが強い、発熱や意図しない体重減少がある場合も、医療機関へ相談しましょう。診断後に症状が変わったときは、いつものヘルニアの症状と決めつけないことが大切です。
整体院モチベイトでのサポート
浜松市の整体院モチベイトでは、医療機関での診断や活動についての指示を確認し、日常動作や関節の動きなどを見ながら、状態に合った施術やセルフケアをご提案します。
整体によって突出した椎間板を押し戻したり、神経への圧迫を取り除いたりできるとはお約束できません。医療機関での治療を大切にし、必要に応じて再受診をご案内します。
「病院で診てもらったうえで、仕事や家事の負担も相談したい」「自分に合う体の動かし方を知りたい」という方は、お気軽にお問い合わせください。
参考文献
[1]公益社団法人 日本整形外科学会(編集協力:日本脊椎脊髄病学会). 整形外科シリーズ2「腰椎椎間板ヘルニア」(2024年12月) https://www.joa.or.jp/public/sick/pdf/MO0007DKA.pdf
[2]東京科学大学 整形外科. 腰椎椎間板ヘルニア https://tmdu-orth.jp/spine-disease/post-3972/
[3]National Health Service(NHS). Slipped disc(2024年レビュー) https://www.nhs.uk/conditions/slipped-disc/
[4]National Health Service(NHS). Sciatica(2024年レビュー) https://www.nhs.uk/conditions/sciatica/
※整体は医療行為ではありません。体の感じ方には個人差があります。一般的な情報であり、個別の診断・治療に代わるものではありません。参考文献確認日:2026年10月24日。