「腰が気になって、散歩に出るのをためらう」「調子がよい日に家事をまとめると、翌日つらくなる」「長く痛むので、動いてよいのか分からない」
腰痛が長引くと、痛みそのものだけでなく、仕事や家事、楽しみの時間にも影響が出てきます。
今回は、慢性腰痛との付き合い方を、日々の活動量に注目してご紹介します。痛みを我慢して頑張るのではなく、続けられる量を見つけることから始めましょう。
慢性腰痛とは?
腰痛が3か月以上続く場合は、一般に慢性腰痛として扱われます。ただし、「長く続いている」というだけでは、原因や必要な対応までは分かりません。
骨折や感染症など、原因となる病気の確認が必要な腰痛もあります。一方、特定の病気だけでは説明しきれない長引く腰痛では、体の状態に加え、活動量、睡眠、不安、仕事や生活の負担などが関わることがあります。
WHOの慢性原発性腰痛のガイドラインも、身体面・心理面・生活環境を含め、一人ひとりに合わせて支援することを重視しています。これは「気のせい」という意味ではありません。実際に感じている痛みを、複数の面から考えるということです。
まだ医療機関で確認していない方や、症状が変化している方は、まず整形外科などで相談しましょう。
「調子がよい日にまとめて頑張る」が負担になることも
痛みが軽い日に掃除や買い物を一気に済ませ、翌日はつらくてほとんど動けない。こうした繰り返しに心当たりはありませんか。
長引く痛みへの対処では、その日の調子だけで活動量を大きく変えるより、無理なく続けられる量を見つけ、活動と休憩を計画する方法があります。「ペーシング」と呼ばれる考え方です。
ずっと活動を減らすためではなく、日ごとの負担の波を小さくしながら、できることを少しずつ増やすための工夫です。
今日からできること① 家事を小さく分ける
例えば、休日に家全体をまとめて掃除しているなら、「今日は一部屋」「掃除機をかけたら短い休憩」というように、作業を区切ってみましょう。
料理も、下ごしらえと片付けを続けて行わず、間に座る時間を入れる方法があります。
ポイントは、痛みが強くなって動けなくなるまで続けないことです。どのくらいで負担が増えるかを振り返り、その手前で区切れる量を探します。
時間の区切り方は人それぞれです。作業内容や体調に合わせて調整してください。
今日からできること② 続けられそうな活動を一つ選ぶ
慢性原発性腰痛では、状態に合わせた運動がケアの選択肢になります。特定の体操を全員が行うのではなく、本人の希望や体力、症状に合わせることが大切です。
まずは、「自宅の周りを短く歩く」など、取り組みやすい活動を一つ選んでみましょう。
例えば、5分程度の散歩が無理なくできるなら、その量から始める方法があります。5分でも負担が大きければ、さらに短くして構いません。これは始め方の例であり、全員への推奨時間ではありません。
数日続けても生活に響くような悪化がなければ、時間や回数のどちらかを少しずつ増やしてみます。一度に両方を増やす必要はありません。
強い痛みや新たなしびれが出る場合は中止し、医療機関へ相談してください。医師から活動の制限を受けている場合は、その指示を優先しましょう。
今日からできること③ 「できたこと」も記録する
記録するなら、痛みの点数だけでなく、次のような内容も残してみてください。
- どんな活動を、どのくらい行ったか
- 休憩を入れると続けやすかったか
- その日の夜や翌日に、どんな変化があったか
- 以前より楽にできたことはあるか
「今日は腰が少し気になったけれど、近所まで買い物に行けた」といった変化も、活動の計画を考える材料になります。
記録は一日一行程度で十分です。負担を増やさず、自分に合う量を見つけるために使いましょう。
痛みが強くなった日はどうする?
いつもよりつらい日は、予定どおりに量を増やさず、活動を短く分けたり、一時的に減らしたりしましょう。長時間寝たままで過ごすことは避け、可能な範囲で日常生活を続けることが一般に勧められています。
ただし、普段と違う痛みや急激な悪化を、いつもの慢性腰痛と決めつけないことが大切です。
こんなときは医療機関へ
腰痛に伴って、次の変化が新たに現れた場合は、整体の予約日を待たず、直ちに救急外来などへ相談してください。
- 尿が出にくい、尿や便を漏らす
- 股や肛門の周りの感覚が鈍い
- 両脚にしびれや力の入りにくさが現れる
また、発熱や強い体調不良を伴う、急に強く痛み始める、急速に悪化する場合も、当日中を目安に医療機関へ相談しましょう。
痛みが数週間改善しない、家事や仕事に支障がある、意図しない体重減少がある、安静時や夜間にも痛みが続く場合は、早めの受診が必要です。「慢性腰痛は3か月以上」という説明は、受診まで3か月待つという意味ではありません。
整体院モチベイトでのサポート
浜松市の整体院モチベイトでは、腰や股関節などの動きに加え、家事や仕事で困っていること、普段の活動量などをお聞きし、その方に合う施術やセルフケアをご提案します。
「散歩を再開したい」「仕事の後も家事をする余裕を持ちたい」など、生活の中の目標も大切にしています。
長引く腰痛への対応は、施術だけで完結するとは限りません。運動やセルフケアの支援などを組み合わせ、状態に合わせて考えることが大切です。変化の程度や経過には個人差があります。
医療機関での確認が必要と考えられる場合は、受診をご案内します。通院中の方は、診断内容や運動についての指示をお聞かせください。
「自分に合う活動量が分からない」「日常生活の工夫を相談したい」という方は、お気軽にお問い合わせください。
参考文献
[1]World Health Organization(WHO). WHO guideline for non-surgical management of chronic primary low back pain in adults in primary and community care settings(2023年) https://www.who.int/publications/i/item/9789240081789
[2]World Health Organization(WHO). WHO releases guidelines on chronic low back pain(2023年) https://www.who.int/news/item/07-12-2023-who-releases-guidelines-on-chronic-low-back-pain
[3]Cambridge University Hospitals NHS Foundation Trust. Pacing for pain management(2023年) https://www.cuh.nhs.uk/patient-information/pacing-for-pain-management/
[4]National Health Service(NHS). Back pain(2026年) https://www.nhs.uk/conditions/back-pain/
※整体は医療行為ではありません。体の感じ方には個人差があります。一般的な情報であり、個別の診断・治療に代わるものではありません。参考文献確認日:2026年10月24日。